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知って怖がるマダニのお話。

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今年日本はマダニの話題で持ちきりみたいで、もうマダニ博士がたくさんいはると思いますが。
ここだとマダニとダニとノミとよくわからん~って友達ばかり。

そういう、私も去年まで、家の中のダニとマダニの違いを知らなかったです。


このブログ、海外在住の方もたくさん見てくれてはるし、
もしかして、「アリちゃんって小汚い子?」なんて思ってはっても嫌なので(笑)
ちょっとマメ知識披露しちゃいます。


マダニ画像も出てくるので見れる人だけ読んでね~♪


そもそも、家のお布団なんかにわくダニとマダニは生態が全く違います。
お布団なんかにわくダニの餌となるのは埃や髪の毛、食べこぼし・・・etc・・・

一方マダニの餌となるのは血液オンリー。


マダニは草むらや花壇、植え込み、
壁の隙間(湿度さえあれば飲まず食わずで一年くらい生きれるらしい)、石のした、砂浜などに生息。
動物などに付着して、落下した場所でしばらくは生き延びることができるらしいです。

ジッと息をひそめて、宿主を待ち続けたマダニは動物の
振動、体温、二酸化炭素を察知して宿主に寄生します。

マダニはノミと違って飛ばないので素早く草などのなるべく高い位置に移動して
宿主によじり登るそうです
ピョンと少し飛ぶっていう話も(ワタシが想像するに、蜘蛛の動きと同じ感じ)
でも体の上や床の上をピョンピョン飛んでたら、それはおそらくノミです。

そして体温の高い子や、二酸化炭素を多く発散している子ほどマダニがつきやすいそうです。
それからマダニは白色を好むらしいので、白い被毛のある子ほど要注意。
そういえば、ありちゃんが噛みつかれてるのも見事に白い毛の所です。



そのマダニのライフサイクルはこんな感じ。
知って怖がるマダニのお話。_f0225883_16534381.jpg

つまり吸血しない限り、成長していけないってこと。
しかも最短でも4日間は吸血し続けます。

そしてその吸血の段階で駆除するのが、
フロントラインやフォートレオンなどのノミダニ駆除剤。
なのでペットに、これらの駆除剤を使用していれば、まず家でマダニが繁殖することはないです。
(人の血を吸っている場合を除く)

薬剤を投与している犬や猫に寄生したマダニは血を吸って自爆していく仕組み。
だけど、アリちゃんの使っているお薬は、噛まれることを阻止する作用もあるので
家の中に落っこちちゃう可能性も出てきます。
なのでお散歩の度のブラッシングとボディチェックは欠かせません。
(それでも噛まれてたので只今悩み中。)


餌となる血を吸わなければ成長もできないし、産卵もできないので、
繁殖はしないけど、家に入りこんだその一匹は湿度さえあれば
1年くらいは生き残れるらしいので、
我が家はアリちゃんのクレートやバック、お布団、シーツ、家具や壁の隅なんかを
重点的にお掃除してます。

小さな家なのと、アリちゃんはリビング兼寝室だけしか自由に入れないようにしているし、
石の床と、真っ白な壁、かーペットなんかも敷いてないのでそんなに掃除には苦労しない感じです。
(一匹のマダニが卵を産む数は何と!数百~数千個です、そうなるともう地獄絵巻)



マダニがつくのは犬や猫がもちろん毛があるぶんつきやすいけど、人にもつきます。


マダニは吸着中に、神経を麻痺させる成分を皮膚に送り込みながら吸血するので
噛まれている最中は痛みも痒みもあまり感じないので
噛まれていても大きくなるまで気づかないことが多いのです。

人の場合は犬のような薬が使えないので、お風呂で体を洗うときや、
頭を洗うときにポチッとしたイボのようなものがついてないか要チェックです。

それから、こっちではスーパーに、マダニにも効く防虫スプレーが売ってるので
森林なんかに行くときはこれを使う方がいいかもです。



で、詳しくはこのHPがわかりやすいのでこちらを見てね⇒クリック



でね、ここからはイタリアのお話。
一応信頼できるULSSやASLのHPからの抜粋ですが、足りない部分もあると思うので参考まで。

今日本で死者が出ているSFTS(重症熱性血小板減少症候群)についてはイタリアにはない、
または未確認です。


イタリアで今現在、人や犬がダニに噛まれて特に注意すべき病気は
・リケッチア (rickettsiosi)
・ライムボレリア症( borreliosi di Lyme)
・ダニ媒介性回帰熱(febbre ricorrente da zecche)
・野兎病(tularemia)
・ダニ媒介性髄膜脳炎(meningoencefalite da zecche)
・エールリヒア症 (ehrlichiosi)


ダニに噛まれてから数日~数週間で、
インフルエンザのような症状(悪寒、疲労、頭痛、全身倦怠感を伴う中等度または高熱)や、
関節痛、筋肉痛、あと皮膚に赤身を帯びた湿疹のようなものができたら
すぐにダニを持って病院に行くとこが薦められています。



それから欧州にはFSMEという怖いダニ脳炎のウィルスを持つダニが生息しています。
主に、中欧・東欧・北欧の一部の森林地帯に生息するのだけど、
一部イタリアでも生息が確認されてる地域があります。

この地図の赤い色の辺りの森林や草むらでは要注意です。
知って怖がるマダニのお話。_f0225883_6231916.gif




イタリアで一番注意が呼びかけられてるのは人も犬も、ライム病です。
マダニが吸血してから17時間以降に菌が伝播され、潜伏期間は数日~数週間。
早期発見すれば、抗生物質で治療が可能だけれども、
初期症状を見逃した場合、一旦症状はおさまり、
次は顔面麻痺などの神経症状が出ると治療しても後遺症が残ってしまうこともあるそうです。


イタリア全土で感染の可能性はあるけれど、
特に注意するのはべネト州、トレンティーノ・アルト・アイジ州、フリウリヴェネツィア、
その次にトスカーナ州です。


加えて西日本で恐れられている「犬バべシア症La babesiosi (piroplasmosi) 」も
イタリアには存在します。
ただ、色々検索ワードにかけてみたけれど、
イタリアでの発生地域なんかが記載されたページは探し出せず・・・
とある英語の論文によると、イタリアでは特に中央~南イタリアで確認、
ただしパーセンテージを出すのに値するデータがないようなことが書かれてました。

ただ、獣医さんによると、やはりバべシアもイタリアには存在するとのことでした。

バべシア原虫が犬に伝播するのは吸血開始から36時間~48時間。
犬駆除薬をしていれば、ほぼその時間内に駆除できるらしいので、
感染のリスクはかなり低くなります。

それから犬バべシア症は人とネコには伝播しません。


犬がかかって厄介な病気のもう一つの代表格はエールリヒア症。
イタリアはハイリスク国です。
犬のE. canisという病気を媒介するマダニは
Rhipicephalus sanguineus (Brown Dog tick)と言う種類のようなのでググって見ると、
(イタリアにそれ以外にエールリヒアを持つダニがいるかは、わかりません)
このマダニはローマ以南、シチリア、南イタリアで多く生息が確認されているようです。
(乾燥した暑い地域を好むようです)



ただ、イタリアってなんでもそうだけど、
日本のようにデータ収集が完璧にされてるわけやないので、
他の地域でももちろんこれらの病気にかかる可能性はあるわけです。


ただ、すべてのダニが病原菌を持っていることはなく、ごく稀に病原菌が伝播される程度。
その確率は人や犬が交通事故に遭うよりも低いと言われてますから、
むやみやたらに怖がる必要もないみたい。


去年は初めて見るマダニにアタフタしてしまい、
ネットの情報を見ると怖いことばかり見つかるのでノイローゼになりそうになったけど(爆
今年は心に余裕ができ、と言うか欧州でマダニなんて日常茶飯事的なことみたい。


とはいえ、去年の夏、お腹壊して毎日のように通院してたときに、
トレンティーノの山でライム病にかかったワンコと飼い主さんに出会ったので、
ちゃんと知識を持って予防して、対処してマダニとお付き合いしないといけないみたい。
(うち、去年なんも知らずに予防もしないでお山バカンスしてたのが怖いわー)


小型犬においては、ほんの数匹のマダニに吸血されることで貧血症状を起こしたり、
アリちゃんのようなデリケート王子様だとアレルギーの原因になったりもするので
過保護な私は神経をとがらせちゃっているわけです。



でも、マダニマダニと怖がっていては、お散歩もできないし、お友達とも遊べないし。
いろいろ制限しちゃうことでストレス溜まって別の病気になるほうが
マダニに噛まれて感染症になるよりも確率高いわけだし。


ちゃんと予防して対処して、上手く付き合うしかないのかなー?
早くいいお薬かお注射でないかな~。






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by mammi_venezia | 2013-06-23 06:54 | ・マダニ日記
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